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【2024/04/24 19:19 】
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 ども。crestaです。


 本日は久々に不人気コーナー『俺の本』。
タイトルは今決まりました。

キノたん萌え~

 学園キノ、ですってよ!
学園、学園て。アータ。

 一応『キノの旅』について説明です。
美少年に見えるけど実はおにゃのコであるキノが、喋るバイク・エルメスと共に世界各地を探訪。
『多数決の国』とか『差別を許さない国』とか、それぞれ独自のルールを持った国を巡り、
特に積極的な介入はしない傍観者的視線でその国にまつわるエピソードを堪能。

 キノ自身は正義の味方というワケでもなく、淡々と状況に対処するだけ。
それらの国のどこかおかしいエピソードの善悪判断は読者に委ねられ、
「え、これ、おかしくない?」といった感じの所感を抱かせつつも、

世界は美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい。

などと、ブッダみたいなことを仄めかす
ちょっぴりシニカルなプチ社会派物語です。たぶん。

 エロゲ風に言えば、『車輪の国』ですかね。第三者視点の。たぶん。

 そんなワケで私も何となく4巻くらいまで読んでたんですが、
これまた何巻まで買ってたかわかんなくなって放置しまくりでした。
そんな中プラプラと書店を歩いていると、これが山積みで置いてありまして。

 正直、「うわぁ……」とか思っちゃいました。
無論本編は学園などとは無縁のドライな世界観。
なんでしょう、この同人誌みたいな所業は。いいのか?アリなのか?

 オビには
『この作品はキノの旅なんかじゃない。』
とか書かれてまして、読む前から逃げ口上を喰らった私も思わずドキドキダイナモです。


 俺がSHINKANした!


 ギャグは、難しい。

 どんなに面白いと思ったギャグでも人によってはクスリとも笑えない。
常套句「人それぞれ」――確かに、そうなのかもしれない。


 昔、どっかのサイトでPCゲームAIRに対するレビューを読んだ。
個人攻撃っぽくてアレだが、そこには確か、冒頭で主人公が喋るセリフ
「ラーメンセット」について触れ、
意味がわからない単語をいきなり口走らせるギャグセンスは最悪、
とかそんな感じのコトが書かれていた。

 私はボチボチこのゲームを楽しんだクチなので思わず反論したくもなった。
だって、意味は、ある。
主人公がこのセリフを口走る背景には腹が減ってどうしようもねえという状況があったし、
仮に全く意味の無い単語だったとしても、意味が無いという意味、
シュールリアリズムチックな意味ならあると思う。

 ギャグ一つにとってもそれが成り立つまでの論理があり、背景がある。
それを「(自分には)意味がわからないからツマラナイ」と、
読み解こうともせずに断定するのは違うんでないかと思うワケだ。

 その上でのギャグが面白いかどうかの判断は個人のセンスに委ねられるのだろう。
ちなみにロミオ信奉者である私が面白いと思うギャグの例を挙げると、


 「ちょっと、そういうの困るんで。
  僕も明日を夢見る益荒男候補生だから」

 「国つくり、そして罪つくりですね」


最果てのイマ 忍と葉子の会話より)


 とか。ウィットに富んだテキストワークには弱い。
ロミロミの場合は下地が完璧に出来ているからこそ、低俗極まるギャグも面白い。
CROSS†CHANNELあたりでは主人公の下品な下ネタに反発する人も多かったと思われるが、
絶対的な日本語ワークを持っているからこそ頭の悪そうなギャグでのギャップが活きるのだ。
表面だけを見て「低俗なギャグつまんねえ」とか言うのは遺憾に思う。

 もっとも、自分自身でも読み取れないモノは多々ある。
キノの旅と同じくライトノベルである撲殺天使ドクロちゃんあたりはキツかった。
話題だった当初、試しに読んでみたものの、まるで知性を感じさせない文章と
絶妙な位置で突き抜けていない不条理ギャグは理解に苦しんだ。
しかし、人気の所以の片鱗くらいは何となく感じ取ることが出来たと思う。

 面白くないと思った人達の気持ちはわからないでもない。
また、ギャグとはそうまでして読み取ろうとするモノではなく、
自分の感覚と瞬時に照らし合わせて判断するモノなのだろう。
瞬時に見て笑うか笑わないかの感覚、
これがセンスとかツボとか言われるモノなのかもしれない。

 結局、ギャグとは書き手と読み手のセンスのぶつけ合いになるのだろうか。
意見が分かれるのは仕方の無いことなのかもしれない。

 ギャグは、難しい。



 で、学園キノに戻るんですけど、これがね、そのぅ…。ツマンナイんですよ。恐ろしく。
や、まあ、それこそセンスなのかもしんないですけど。

 ストーリー的にはパラレル学園生活を送るコトになったキノとイケメンとかが、
ひたすら面白おかしく銃器を乱射するお話。
アリガチな恋愛要素とかは2%程で、全編ほとんど勢いのみで押したギャグで構成されています。

 特に思い入れも無いので本編のキャラクター性の崩壊とかについては私は別段気になりませんが、1冊通じてほとんど作者の悪ノリとしか言いようがないギャグオンリーなのは辛かったです。
なんてーか、撲殺ドクロ臭が。

 もっとスク水キノたんとかブルマキノたんとかに萌…
まあギャグオンリーなのは良いですが、それが全部かすりもしないのは厳しかった。
せめてもすこしマトモな学園モノだったら。キノたんに萌…

 てか、なんでしょうかね。中学生の頃の自分が書いた妄想小説みたいな雰囲気すら。
何故かこっ恥ずかしいです。作者自身が楽しんでるのは伝わってきますが、
それを商業媒体で読むコッチの身にもなってくれ、と。

 もう、コレは文庫化して出しちゃダメだろ、とか思っちゃいましたテヘ。
キノの旅が好きで好きでどうしようも無い人ならイケルのかも。
本編を全く考慮しないでコレだけ読んでもキツイと思われるレベル。
もういっそキノとかつけんなよ、チクショウ!
そうすれば手にするコトも無かったのに!

 作者の時雨沢氏にちょっと抱いてた好感も軒並みプライスダウン。
ゴメン、本当にこれはキノなんかじゃなかった。
オビで事前に釘を刺されてたせいで振り上げた拳が降ろせないオマケ付き。

 やー、ホント、ワリとなんでも楽しむんですよ自分。
ちょっとばかり微妙な作品だって楽しんでるんですよ。
レビューの点数だって、30点くらいあれば
ソコソコ楽しかった所もあったって言ってるんですよ。
そんな私が久々に思いました、


 俺がSHIPPAIした!


 ひとまず買う前に中身を見てみることをオススメします。
でもやっぱ、面白いという人もいるんだろうなぁ…
ギャグは難しいなぁ…
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【2006/07/13 23:35 】
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